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ESSAY

春になって

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2017.04.22.

ヴァンジの展示が終わって
通常の時間が戻ってきました。

展示が1か月半はあったのに、あっという間に終わってしまった感じです。
遠方まで足を運んで見に来てくださった方々に
心からお礼をお送りします。

ヴァンジ美術館、菅沼伊万里さん 他、関係者の方々にも感謝でいっぱいです。

何かをつかんだのか?何かが変わったのか
これから実感するのかな?
とまだウロウロしていますが
季節は春本番になっていました。

多摩川の同じ場所で毎年友人たちとお花見をするのですが
今年はここ数年でも桜の花の時期と菜の花とハナダイコンの花が見事に咲きみだれ、
天気も晴れわたり、多摩川の河川敷、土手はこの世のものとも思えないくらいの美しさでした。
友人と笑い、語らい、美味しいものを食べ、暖かい日差しの中心が溶けるようでした。
その時も夢中でそこにある空気と息遣いを撮影をしたのですが

薄曇りの日暮れどきが大好物な私は
残り香を求めて今日もその場所を一人尋ねました。
晴れた日のお花見の時とは違う、
人間の思い入れなどまったく関係ない
多摩川の持つ、美しくも、影のある、怪しい部分を見つけました。

「リバースエッジ」にもあるように 美しさもある場所であり同時に
人知れずなにかが朽ちていくような危うさのある場所です。
あまりに咲き誇る花たちが何かをひっそり隠しているかのようでした。
夕暮れの時間にここを歩く時、少し怖さを感じてわずかに緊張してしまうのです。

こんな不思議な時間の隙間を見つけに行くことが
私が写真に関わり続けるモチベーションの一つです。

そして長い展示が終わるのと同時に
新しい習い事を初めました。
自分の今まで持っていたけど眠っていたものをまた揺り動かすきっかけになりそうです。