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ESSAY

通り過ぎる時間と

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2018.08.14.

夏っていつでも楽しくなったり、切なくなったり
太陽のいたずらで 普段感じない気持ちを思い出させてくれたりする。
仲間との一体感を感じさせてくれる一瞬も。

2018の夏は特別な夏に。

海の縁から近づいて来る、
落雷も雨も飛び跳ねる魚も虹も、
ずっと忘れない風景になったと思う。
あの時間は空間が優しくなって、誰もがとても自由で、
子供に戻って行った。

笑い声がずっと耳の奥に響き渡り、

楽しい時間が終わってしまうのをとてもよくわかっている人たちとの時間。
だからこその時間。

胸の中がキュッと締め付けられるような
一瞬。

大好きな漫画家のくらもちふさこさんの昔の作品の中で 
目の前にある優しい幸せを振り切って
自分が正直に生きるために別れを選ぶシーンがあるのですが、
「いつでも胸がしめつけられるような感動が欲しい」からというセリフがあって
それを読んだ美大生時代のそのたった一言とその会話のシーンが心が震えるたびに思い出してしまう。

学生時代、いくつ観たかわからないくらいの沢山の邦画、外国の映画や、アート作品や小説の中で
この言葉が結局残っているのって不思議なこと。